2007年8月10日金曜日

信濃町での酔生夢死

現在、信濃町に滞在している。
長野県上水内郡信濃町。すぐ北側は県境をはさんで新潟県・妙高。

この町に来初めてから、何年が経つだろう。

一番初め、ここへ来たのは大学2年生の夏。
野尻湖のホテルで、研究所の夏の合宿が、毎年ここで行われていた。

野尻湖は、県内の諏訪湖に次ぐ大きさの湖。近くの斑尾山が出口を塞いでできた、との説がある。
マンモスの骨が出てきたことから、大衆的に発掘が行われたことでも知られる。

黒姫山、妙高山、飯綱山が見え、反対側には斑尾山がある。

戦前から「山の軽井沢」「湖の野尻湖」として、外国人の避暑地として好まれ、湖畔に外国人村、今では「国際村」と呼んでいる一画には、夏を楽しむ外国人の姿がよく見られる。
ブルーベリーや、ルバーブなどという西洋野菜や果実が、早くから栽培され、利用されてきたのは、他に見られないものだろう。

一方で、この地は、小林一茶のふるさととしても知られる。一茶の記念館は、この町の観光の目玉のひとつだ。
冬はスキー客で賑わう黒姫山の中腹には、童話館があり、一面のコスモス畑を越えてくる風に身を任せていると、それだけで幸せになれる。

縁があって、かれこれ4半世紀前から、ここの別荘マンションに通い始め、冬と夏に関西から、また後には東京から通ってきている。

ひと夏の中で、何が幸せといって、大きな木の陰にデッキチェアーを持ち出し、木漏れ日の中で一杯呑みながらの読書、そしてまどろみ。酔生夢死。青空に白い雲が勃然と湧き上がり、林の中を吹き抜けてきた風が、やさしくヒンヤリと頬をなでていく――。休みだから、と走り回るのとは違う、ちょっと贅沢な気分だ。

還暦を過ぎたら、せめてそれくらいの贅沢を許してもらおう。

0 件のコメント: