東の空にまん丸の月が出た。
クリスマスイヴと満月、それに火星の赤。
今年はそんな取り合わせができたらしい。
特に何もなかったイヴだった。
積年、たぶん今年だけでないから、積年のリヴィングの集積を片付ける作業をした。
手元にあった本を整理することも、その大きな部分。
これを束にして、一応は頂いた本などは、これを改めて記録して、括った。
束を車に積んで、古本屋へ行こうとした。
ガレージの2段式のパレットを引き上げ、見ると、床面にどうもオイルが大分こぼれ濡れている。
やばそうな感じがしながら、エンジンキーを回す。エンジンはかかった。
ゆっくり前進、ハンドルを右に回してみると、日ごろは感じないギシギシといった音。
ハンドルが重い――これは、いかん。
マニュアル片手にボンネットを点検するが、エンジンオイルがあまりない感じはするが、
エンジンはかかったし……。下手の考え、休むに似たり。
今年7月に、確か10年目の車検を受けた販社のサービスカウンターに電話する。
「エンジンはかかるんですね。車検のときにオイル漏れがあるのでは、という点は
チェックしていたんですがね。オイルがこぼれているという色はどんな色ですか?」
結局、エンジンオイルというよりは、ハンドルなどを軽くする油圧系統のオイルが
漏れている可能性が強そうだ、とのこと。
自走することが可能か不明なので、JAFに電話することにした。
JAFを待つこと1時間余り。結論はやはり、ステアリング系統のオイル漏れ。
自走してエンジンを焼ききるようなことがあっては損ですから、と牽引してもらうことに。
横浜市内の販社工場まで牽引してもらい、検査。
結論は、ステアリングなどの油圧系統のオイルの送り元付近のチューブのゴムに
緩みが見つかったということだ。締め付けをしておしまい。
無代でオイルまで入れてくれた、というのは、工場が先の車検時の手落ちを認めたということか。
やっと自走して家まで戻り、改めて古本屋へもって行く本を積み込む。
横浜・鶴見駅近くの古本屋さん。業界に加入していることで、
以前にも一度、本を持ち込んだことがある。
月曜から土曜までの営業で、日曜日は定休。祝日は10時から8時とHPにあったので7時前に着いたが、ちょうどシャッターをすべておろし終えたその時だった。
出直すことも面倒なので、シャッターを叩いた。おじさんが車まで見に来てくれたが、
「全部まとめても1000円くらいしか出せませんが良いですか」
値段をいうつもりはないので、それはOKなのだが、
研究者がいれば有用かもしれない、と一束つくっていた文部省の指導の手引きや、
各種機関の機関紙などの山について「これは一般ごみに出してください」といわれたのは、
いささかプライドを傷つけられた思いだった。
意地でも、だれか研究者を探して、譲ってやる、と思ったものだ。
帰りがけの東の空、そこにポッカリト浮かんだ満月。結局は、それだけのことだった。
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