2010年4月10日土曜日

花吹雪


花吹雪は美しい。花が自分の重みに耐えかねて、やってきた風に身を任せる。
クルクルと、花びらは輪舞をしながら、風のリードで舞う。

その一瞬を、カメラで捉えたいと思いながら、なかなか目で見たようにはいかない。
花びらはシャッターを通じて、フとその姿を光りの中に隠してしまう。
背景が黒くなければ、その姿は失われてしまう道理だ。

東京国立博物館の法隆寺宝物館の前。
全面ガラスの正面に、池の上を風が流れ、花びらが躍った。
ガラスに表慶館の背中と、やわやわと風になびくヤナギの長く青い葉が映り込んでいる。
宝物館の闇から出てきた人も、思わず繰り広げられる花弁のページェントに空を見上げた。
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2010年2月27日土曜日

春は貝

春の訪れの楽しみの一つが
 美味しい貝との出会いだ。
 
 ホッキ貝は、そんな一つ。
 こぶし大の貝が3つで半値の250円。
 これは買って帰るに限る。

 家に帰って念のため、
 ホッキ貝の捌き方をネットで確認する。
 昔は、そんなことはなかった。

  ホッキ貝をまず、水をはった器につけてやった。塩水の方がよいのかもしれない、
 貝がホッと息を吸い、心持口を開く。ゴミも出してくれればもっと良い。殻を洗ってやる。
 貝の合わせ目に刃物を咬ませる。端の方にそっと探り入れると、至極簡単だ。
 
 貝柱を切ってしまえば、口を開く。ヒモも含めて取り出し、ちょっと熱湯を潜らせ、
 すぐに冷水にいれてやる。ほんのりと身が赤みを帯びるのがうれしい。
 
 一番肝要なのが、ちょっと厚めなところを開いたときに見える黒いフンのようなものを
 取り除くこと。これだけは忘れてはいけないようだ。
 3つの貝を捌いて、実はそれだけでなく、ホヤも手に入ってしまったので、これも始末した。
 これも半値で100円。漁師さんは、こんなに安値で大丈夫なのか、と心配しながら。
 
 両方を日本酒で食べ始めたら、酒が進むこと。
 因みに、この日の酒は、大阪は池田の呉春。すっきりとして好みの酒。
 ちょっと仕合せな夜だった、
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